あまんきみこさんとおかあさん
2008年 01月 28日
あまんきみこさんとの出会いは、小学校の国語の教科書。何だかとってもふんわりした雰囲気の童話を読んだ記憶があります。あれは、きっとそう「車のいろは空のいろ」という童話だったかな。
先日、黒井健さんの絵本原画展で、あまんきみこさんの絵本を見つけました。
「おかあさんの目」という絵本です。
お膝の上に座っているせつこが、おかあさんに言うのです。おかあさんの目には、せつこがうつってるよ。よくよく見ると、おかあさんのの目の中って、いっぱいなものがうつっていることに気がつきます。
そして、おかあさんが、おかあさんの目を通して山の緑、海の青、いろんなものをせつこに見せてくれるんです。
私は、この絵本がとっても気になっていて、手元に取り寄せました。何だかここに描かれていたおかあさんがとっても気になっていたのです。
あまんさんの生い立ちのお話も、童話ができる過程のお話も伺いました。
そして、この「おかあさんの目」にでてくる、愛情に溢れたお母さんを描いた絵本のわけが少しわかりました。
あまんさんのお母さんは、42歳の若さで、あまんさんが19歳のときに亡くなられた、そんな伏線もあったんでしょうか。
ご自身が母になられたとき、母である自分が子どもを見る目と、ご自身のお母さんが幼い自分を見てくれてたときの気持ちを重ね合わせていました、とおっしゃいました。
童話と同じで、あまんきみこさんは、声も笑顔もふんわりとした優しさに包まれた方でした。
とってもとっても素敵で、あまんさんの空気にみんなが包まれたひと時でした。
「おかあさんの目」 あまんきみこさく・黒井健絵 あかね書房